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岳父とは?意味や義父・尊父との違い、弔電での使い方について解説

岳父とは?意味や義父・尊父との違い、弔電での使い方について解説
2022/11/24 更新日:2023/06/27
弔電や喪中はがきなどで「岳父(がくふ)」という言葉を目にする機会があると思います。その意味や使い方はご存知でしょうか。
似たような言葉に「義父」や「尊父」がありますが、意味や使い方は異なります。弔電を送る際はどの言葉を使うのが正しいのか、正確に把握しておくといざという時に安心です。
そこで今回は、「岳父」の意味や「義父」「尊父」との違い、弔電での使い方について解説します。

「岳父」とは

「岳父」とは、「妻の父親」のことを指す敬称です。代名詞として使用したり、名前の前に付けて使用する言葉です。
「妻の父親」というと「義父」「舅(しゅうと)」という言葉を使う機会のほうが多いのではないかと思います。「岳父」という言葉は、口頭で使われることはあまりなく、主に喪中はがきや弔電などの書き言葉として用いられています。

岳父の由来にはいくつかの説があります。

・中国の名山である泰山から由来する説
泰山には、妻の父を意味する「丈人峰」という峰があることから、岳父と呼ばれるようになったという説です。

・「岳山」と「岳婿山」という山に由来する説
岳山は、岳婿山の夫側の山であり、岳父は岳婿山の岳の字から由来したという説です。

元々は「夫」が自分の「妻の父親」を指して使う言葉で、たとえば、身内の不幸を伝える喪中はがきでは、「本年○○月、岳父△△が100歳にて永眠いたしました」というように用いられます。
ただし、「妻から見た夫の父親」には、「岳父」という言葉は使いません。この場合は「義父」、または単純に「父」という表現を用います。
そのため、喪中はがきで「岳父」が使われている場合、送り主は「夫」であり故人は「妻の父親」である、ということがわかります。「岳父」という言葉を使うことで、送り主と故人の続柄をはっきりさせることができるのです。

「岳父」と似ている言葉

「岳父」が妻の「父親」のことを指す言葉であるのに対して、他にも同じように「父親」を意味する言葉がいくつか存在します。

「義父」

「義父」とは、血縁関係にない父親のことを意味する言葉です。
配偶者の父親という意味で用いることの多い言葉ですが、たとえば実母の再婚相手についても「義父」という言葉を用います。
「岳父」と比較すると、書き言葉としてだけでなく口頭でも用いる機会が多く、それゆえに相手に意味を理解してもらいやすい言葉でもあります。
また、「岳父」が「妻の父親」という限定的な使われ方をするのに対して、「義父」は「夫の父親」にも使える言葉であるため、使い方を間違えにくいという特徴もあります。
ただし、「義父」は敬称ではないため、身内の不幸を伝える喪中はがきでは使用されますが、弔電での使用は適切ではありません。

「尊父」

「尊父」とは、「第三者の父親」に対して使う敬称のことです。
「尊父」のみでも敬った表現ではありますが、そのまま使われることはあまりなく、「ご尊父」「ご尊父様」というような使われ方をするのが一般的です。「第三者の父親」であれば、「妻の父親」「夫の父親」どちらに使用することができるので、父親を亡くした相手に弔電を送る際にはよく使用される言葉です。
ただ、「義父」と違い「尊父」は「第三者から見た、相手の父親(実父や義父)の敬称」であるため、身内である自分の実父や義父に対して使う言葉ではありません。

また、弔電でも使われる機会の多い言葉ではありますが、弔辞に使用する際は注意しましょう。弔辞は弔電と同じく故人を悼む気持ちを表すものですが、弔電が喪主へ送るもであるのに対し、弔辞は故人へ贈る別れの言葉です。お葬式の場で弔辞を述べる際は「ご尊父様」ではなく「お父上」という言葉を使ったほうが自然です。

岳父に対する岳母とは

岳父(がくふ)とは、妻の父親のことであるのに対し、岳母(がくぼ)とは、妻の母親のことを指します。

弔電に「岳父」は使える?

「妻の父親(義理の父親)」を亡くした方に送る弔電では「ご尊父様」が主に使われていましたが、最近では「岳父」も使われるようになっています。
ただし、「第三者の妻の父親」に対して使う場合は、「ご(御)」と「様」をつけて「ご岳父様」とするのが一般的です。
「岳父」だけでも敬った表現ではありますが、「夫」が義理の父親に対して使うのとは違い、第三者の「妻の父親」に対して使うのですからより敬意を表すために「ご岳父様」と書き表します。

また、地域によっては、「第三者の妻の父親」に対して「ご岳父様」を使用する方がメジャーであるケースもあります。地域の慣習がある場合は、それにあわせて敬称を使用するようにしましょう。

「ご岳父様」を使用した弔電の文例

前述の通り、弔電においては「ご岳父様」とするのが一般的です。
「ご岳父様」を使う場合の弔電の文例としては、以下のような内容が挙げられます。
  • ご岳父様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
  • ご岳父様の突然の悲報、ご生前をお偲び、心からご冥福をお祈りいたします。
  • ご岳父様の逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りします。
  • ご岳父様のご訃報に接し、お悲しみをお察し申しあげますとともに、衷心より哀悼の意を表します。
  • ご岳父様のご訃報に接し、哀惜にたえません。心よりお悔やみ申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。
  • ご岳父様の突然のご逝去の報に接し、ご家族の皆様をお慰めするすべもございません。衷心より哀悼の意を表します。
ご岳父様ご逝去への文例はこちら


こうした文例を使用することには、いくつかのメリットがあります。
1つ目は「急いで弔電を送りたい際に文章を考える手間が省ける」という点です。
お葬式は急であることが多く、訃報を知らされてから弔電を送るべきタイミングまでに時間がないケースも少なくありません。文例を使用すれば、短い時間の中で、礼儀に沿った弔電を送ることが容易になります。
2つ目のメリットは「正しいマナーで弔電を送ることができる」ことです。
弔電には不吉な意味を持つような忌み言葉を使わないなどのマナーがあり、一から文章を考えるとなると難しいことも少なくありません。
加えて、弔電は急いで送ることが多いため、詳しい人に聞いて確認する暇もないケースが多いでしょう。文例は弔電のマナーに即して用意されていますので、時間がなくてもマナーに即した弔電を用意することができます。
もちろん、近しい方が亡くなった際には自分の言葉で弔電を送りたいと考える方も多いでしょう。その場合は文例を参考にしつつ、自分の言葉で弔電の文章を作成することをおすすめします。
どうしても自分で文章を用意する自信がないという方は文例を活用してみてはいかがでしょうか。

弔電におけるマナーなどは下記のページでも解説しています。

【弔電の送り方】お悔やみ電報の宛名の書き方や基本的なマナー

喪主との続柄にあわせた故人の敬称

最後に、喪主との続柄にあわせた故人の敬称をご紹介します。
弔電の文章中に、故人を指す言葉を使う際は、ぜひ参考にしてください。

・故人が喪主の「実父」:ご尊父様、お父様、お父上様
・故人が喪主の「実母」:ご母堂様、お母様、お母上様
・故人が喪主の「祖父」:ご祖父様、お祖父様
・故人が喪主の「祖母」:ご祖母様、お祖母様
・故人が喪主の「妻の父」:ご岳父様、ご尊父様
・故人が喪主の「妻の母」:ご岳母様、ご丈母様、ご母堂様
・故人が喪主の「夫」:ご主人様、ご夫君様、旦那様
・故人が喪主の「妻」:ご令室様、ご令閨様、奥様
・故人が喪主の「息子」:ご令息様、ご子息様
・故人が喪主の「娘」:ご令嬢様、お嬢様
・故人が喪主の伯父(父母の兄):伯父様、伯父上様、ご令伯
・故人が喪主の伯母(父母の姉):伯母様、伯母上様、ご令伯
・故人が喪主の叔父(父母の弟):叔父様、叔父上様、ご令淑
・故人が喪主の叔母(父母の妹):叔母様、叔母上様、ご令淑
・故人が喪主の「兄」:ご令兄様、お兄様
・故人が喪主の「姉」:ご令姉様、お姉様
・故人が喪主の「弟」:ご令弟様
・故人が喪主の「妹」:ご令妹様
・故人が喪主の「孫」:ご令孫様

まとめ:「岳父」を弔電で使う際は、意味を理解した上で「ご岳父様」を使用する

「岳父」は、元々は「夫」が自分の「妻の父親」に対して使用する敬称でしたが、最近では「妻の父親(義理の父親)」を亡くした方に送る弔電でも使用されるようになってきています。
弔電で使用する際は、より敬意を表して「ご岳父様」とするのが一般的です。

「岳父」のような続柄に合わせた敬称は、目にする機会は少ないと思いますが、電報では慶弔に限らずよく使われています。こうした言葉は時代が進むにつれて使われ方も変化していますので、正しい意味を理解した上で使用するようにしましょう。

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